8/23/2009

Jizo Bosatsu and Haiku

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Fudo Myo-O Gallery

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Jizo Bosatsu and Japanese Haiku

Main Entry
... ... ... Jizo Bosatsu 地蔵菩薩



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鼻欠けし地蔵の御手や枯れし菊 寺田寅彦
hana kakeshi Jizoo no o-te ya kareshi kiku

Jizo without a nose
but here are his arms ...
withered chrysanthemums

hanakake Jizoo 鼻欠け地蔵 / 鼻欠地蔵 Jizo without a nose, noseless Jizo


鼻かけ地蔵 Noseless Jizo at Sasagaura

source : www.kawaguchiya.jp

At Sasaura wan Inlay 楽々浦湾(ささうらわん)there is a small sanctuary with this Noseless Jizo, the statue is sayd to have been found by fishermen in the sea. As a thank you for saving him, this Jizo produced rice grains out of his nose. So one greedy man in the neighbourhood cut off the nose to have all the rice for himself. But the nose stopped pooring out grains and the Jizo stood there now without a nose.
On the festival in July they pound mochi ricecakes.
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The Sasaura Wan inlay is also famous for this haiku

雪の日や神の琵琶をも聞ばかり
yuki no hi ya kami no biwa o mo kiku bakari

城崎十景


Sasaura, Hyogo Prefecture
豊岡市城崎町大師山、楽々浦
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There are other Jizo statues without a nose in other parts of Japan!


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This is a statue from Ryookawa 良川.
A man walked in the forest alone at night in the area of Tango (Tottori) and saw a fox pulling the statue of Jizo behind him. When he checked the area later, the statue of Jizo had lost its nose indeed.



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Two stone statues in a deep forest of the Kumano Mountains.
On the route from Yunomine Hotsprings
湯の峰温泉から大日山, 鼻欠け地蔵



a stone Jizo in the cliffs without nose and a few more
There is one near Kumamoto University, which Lafacdio Hearn visited frequently, near 立田山 near the cemetery 小峰墓地.
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source : HAIKUreikuDB

あたらしき下駄のうれしき地蔵盆 岸風三樓
あつしともの給はぬなり石地蔵 暑 正岡子規
あまりたる幕を籬に地蔵盆 宮城きよなみ
あやす嬰は地蔵の重さ秋の暮 高澤良一 素抱

いが栗を地蔵の膝でわりしよな 青嵐
いたこの名みな仮名の二字地蔵盆 大坪景章
いなずまや地蔵の傍の硬い魚 赤尾兜子
うつつや冥き無言の雑踏地蔵盆 成田千空 地霊

おいらん草みえぬ顔して地蔵群 和知喜八 同齢
おほかたは蜑の子ばかり地蔵盆 長沼紫紅
おわら流し地蔵の辻を踊場に 茂里正治
おわら流し音締を合はす地蔵堂 毛塚静枝

お供物に隠れて盆の地蔵尊 村手圭子
お供物に電気の球も地蔵盆 茨木和生 往馬
お地蔵のもすそに鳴くや磯鵆 鬼貫
お地蔵を洗ふ村の子草の花 山田弘子 初期作品
お地蔵様にたのむことない石ころになるか 平岡国次郎
お月さまが地蔵さまにお寒くなりました 山頭火

かくれ津の地蔵とあれば月の鳰 吉野義子
かげろふや禁酒地蔵の笠は猪口 鷹羽狩行
かざりたてお地蔵見えずなりにけり 西山泊雲 泊雲句集
こがらしや油からびし石地蔵 亀卿
ここに又湖の入江の地蔵盆 大峯あきら 宇宙塵

さまよへる小さき螢や地蔵盆 五十崎古郷句集
しぐれ来よ地蔵尊忌の時雨れけり 斎藤一骨
しもつけや鼻欠け地蔵笑み給ふ 本田一朋
ずず玉の天つ日返す地蔵盆 高澤良一 ぱらりとせ

たうきびのひげのあかしや地蔵盆 角川春樹
だだちや豆大皿に盛り地蔵盆 本間まり
てつぺんに瘤ある地蔵岳粧ふ 山田春生
とかげ這ひ縁切地蔵燭一つ 有馬籌子
とろけ地蔵りつしんべんのやうに冬 須川洋子
どの露地も海見えてゐて地蔵盆 長沼紫紅
どぶにほふ苦情申さず地蔵盆 阿波野青畝

なむあみだ躰にたむる地蔵盆 高澤良一 ぱらりとせ
にぎやかに児の泣く声も地蔵盆 河野静雲
ぬれて来て地蔵にとまる蛍哉 蛍 正岡子規

ふさとめす地蔵の綿も夜寒かな 黒柳召波 春泥句集
ふるさとに土の道あり地蔵盆 大捕八重子
ふるさとの地蔵盆会に会ふならひ 安藤 徳太郎
ぼた餅や地蔵のひざも春の風 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)

もう秋風のお地蔵さまの首だけあたらしい 山頭火
もじずりの咲きて目洗地蔵道 西居 浩

やぶ入を守る子安の地蔵尊 蕪村遺稿 春
ゆきずりの燭を感ずる地蔵盆 飯田蛇笏 霊芝
ゆふべゆふべ地蔵にすだく藪蚊かな 言水「前後園」

わが松は縛地蔵に燃ゆる頃 阿部みどり女 月下美人
わが燭の遅れ加はる地蔵盆 橋本多佳子
わらべ唄地蔵にひびき明けの春 堤 久子

マリア地蔵首欠け子欠け昼の虫 中村明子

一夜は師と一夜は地蔵盆の客 八牧美喜子
一烏翔つて地蔵のゆらぐ冬がすみ 河野多希女
一群は地蔵流しか秋の川 寺田寅彦
三人子はときのま黙し山畑に地蔵となりて並びゐるかも 前登志夫

下闇やびつくりしたる石地蔵 木下闇 正岡子規
両の手の吾が子よその子地蔵盆 宮城きよなみ
丹波ほほづきどの子が上げし地蔵盆 長谷川かな女 花寂び
五月雨や漁家の軒端の地蔵尊 楠目橙黄子 橙圃
人住まぬ浦のにぎはふ地蔵盆 田中喜久代
今出でし蜥蜴濡身に地蔵の辺 杉本寛
仰向に地蔵こけたり春の風 春風 正岡子規
伝説の地蔵は花の奥深く 西岡長康
傾いて地蔵艶なる冬日かな 橋石 和栲
兄ありて妹賢し地蔵盆 林昌華

児が叩く気侭な鉦や地蔵盆 小山徑石
児等去つて黍に澄む灯や地蔵盆 西山泊雲 泊雲句集

六波羅はいま陋巷の地蔵盆 西尾砂穂
六道のどれが句のみち地蔵盆 林昌華

冬ざれや最果ての地の地蔵堂 鈴木紫苑
冬日向まぶたの重き地蔵尊 上田俊二
冬構肌も衣も石の地蔵 香西照雄 素心
冬瓜にことに燭のいろ地蔵盆 森 澄雄

出来過ぎ田青々と伏し地蔵盆 西村公鳳
切株に燭をきらさず地蔵盆 宮坂静生 山開
初地蔵初めて買ひし白髪染 中島美也
化粧地蔵納め子の夏果てにけり 樋笠文
北山へ遁げゆく雨や地蔵盆 成瀬櫻桃子

千体の地蔵彩どるかざぐるま 萩 尚子
千地蔵くりくりとこの暑い日に 和知喜八 同齢

口渇き藻とゆれる髪地蔵盆 成田千空 地霊
名月に辻の地蔵のともしかな 黒柳召波 春泥句集
啓蟄や地蔵へ届く風便り 仁志一子
四ッ当る油地蔵や句碑小春 磯野充伯

地獄絵に諭さるる子や地蔵盆 芦澤元子
地蔵いて峡の一戸へ雪の橋 和知喜八 同齢
地蔵そば地蔵煎餅松過ぎぬ 草深昌子
地蔵と電柱月の出しなの刻わかつ 磯貝碧蹄館 握手
地蔵めぐり壬生に日暮るる門茶かな 村山葵郷
地蔵より受けたる慈悲や地蔵盆 吉田汀史
地蔵より幼く駈けて昼の月 林田紀音夫

地蔵会に人出盛りて淋しさよ 原月舟
地蔵会に座敷帰りの老妓かな 合田丁字路
地蔵会に行き遇ふ水の匂ふ町 神戸周子

地蔵会のおさがりの白甜瓜 大石悦子 百花
地蔵会のお糸地蔵にお針子ら 豊里とも吉
地蔵会のこどもの色の紅冬瓜 森澄雄
地蔵会のすぎし風の木風の川 斎藤梅子
地蔵会のちようちん心にも灯る 岩見 敏
地蔵会の一と雨過ぎぬ宵のうち 橋本春燈花
地蔵会の一賑も宵のうち 武田夢仙
地蔵会の井水きらきら汲まれけり 鈴木しげを
地蔵会の十戸の講の一戸減る 近藤一鴻
地蔵会の提灯もまた揺るるもの 後藤夜半 底紅
地蔵会の日暮に赤き唐辛子 角川春樹
地蔵会の灯をひとつづつふやしけり 片山由美子 風待月
地蔵会の犬舌鳴らす潦 岸田稚魚 筍流し
地蔵会の町うきくさの匂ひけり 榎本冬一郎 眼光
地蔵会の笊にあふるる竹とんぼ 石鍋みさ代
地蔵会の脚濡れてゐる竹牀几 岡本高明
地蔵会の蝋涙おちて水に浮く 横山白虹
地蔵会の裏は葭原葭すずめ 辻田克巳
地蔵会の鉦の間遠き夜機織る 太田穂酔
地蔵会の鉦鳴る方へ歩きけり 比叡 野村泊月
地蔵会の霧降りてくる胸の前 志摩知子
地蔵会の饅頭届く駐在所 久保方子

地蔵会やちか道を行く祭客 蕪村
地蔵会や十団子吊りたる深庇 増田昭子
地蔵会や堂後にすだくきり~す 西山泊雲 泊雲句集
地蔵会や大寺ぬちの地蔵堂 尾崎迷堂 孤輪
地蔵会や樹と樹つなぎて映写幕 大島民郎
地蔵会や漏斗を据ゑて賽銭箱 西山泊雲 泊雲句集
地蔵会や祠とりまき土産店 西山泊雲 泊雲句集
地蔵会や線香燃ゆる草の中 高浜虚子
地蔵会や縄垣したる黍の径 西山泊雲 泊雲句集
地蔵会や芒の中に灯のともる 雑草 長谷川零餘子
地蔵会や近道を行く祭り客 蕪 村
地蔵会や鉦の合間に灯のふえて 高木瓔子
地蔵会や高くひびくは母の鉦 中村若沙
地蔵会や鶏頭四五本残し掃く 西山泊雲 泊雲句集
地蔵会をのぞきながらや通りけり 千原草之

地蔵列んでみどりの横顔秋旱 竹中宏 饕餮
地蔵坂朝は素面の酔芙蓉 旭蝸牛

地蔵堂に子守来る日の落葉哉 寺田寅彦
地蔵堂一体づつに鏡餅 高橋 進

地蔵峠タンポポと地蔵の群生 村田信子
地蔵會や木の根二間を掃さうじ 松瀬青々

地蔵湯の秋の灯洩るゝ女下駄 高澤良一 随笑
地蔵湯の道順聞いて夜長人 高澤良一 随笑

地蔵盆こんなに子供ゐたかしら 石原清美
地蔵盆すぎし亀の子束子かな 渡辺 昭
地蔵盆たらちね肌の餅供へ 赤松子
地蔵盆ちちはは山になりたまふ 熊谷愛子
地蔵盆つかめば財布しんなりと 辻桃子
地蔵盆つむり大小寄せ合へり 永方裕子
地蔵盆つんつるてんの男の子 館 さくら
地蔵盆とみに露けくなりにけり 河原白朝
地蔵盆よりあたらしき子らの箸 能村登四郎
地蔵盆二人ひとりに日の暮れし 猪俣千代子 秘 色

地蔵盆佐渡の夕焼さめてより 大峯あきら
地蔵盆子の寝しあとをなほ灯す 大石悦子 聞香
地蔵盆子らの言葉を灯と吊りて 大石悦子 群萌
地蔵盆子供の声の夜更けまで 桶口 満
地蔵盆子供の陣地暮れ残り 西村和子 かりそめならず
地蔵盆実の付いてゐる樒束 高澤良一 ぱらりとせ
地蔵盆山より闇の下りてきし 成瀬櫻桃子
地蔵盆嵐のあとの草の香に 大野林火
地蔵盆巫女が見せし死後の顔 河野南畦 湖の森
地蔵盆提燈が染める男の足 桜井博道 海上
地蔵盆旅の姉妹の灯のうちに 平井孝子
地蔵盆木の根に赤子置かれある 黛 執
地蔵盆森暮れて灯の濃くなれり 川村紫陽
地蔵盆海鳴路地の空にせり 茨木和生
地蔵盆用意の男くぎかなづち 川崎展宏
地蔵盆白粉花を蒐む子に 高澤良一 寒暑
地蔵盆草を跨ぎて嫗来る 南うみを
地蔵盆菩薩を潮で洗ひあげ 川井玉枝
地蔵盆負ふ児曳く児に螢籠 飯田蛇笏 椿花集
地蔵盆路地なくなりしビルの街 稲垣芳子
地蔵盆過ぎたる機の音なりけり 安住敦
地蔵盆酒くらい尼に好かれもし 古沢太穂
地蔵盆鉦を叩けば日暮れきて 関戸靖子
地蔵盆闇にとび出す輪投げの輪 杉山ふさ
地蔵盆青き棗に湖ながれ 岡井省二

地蔵絵の肩の流れに梅雨おぼゆ 阿部みどり女

坂あれば坂に灯がつき地蔵盆 岬雪夫
城跡に地蔵堂のみ雪のこゑ マブソン青眼
塩掛地蔵塩に盲ひて春逝かす 安住 敦

夏の昼酒呑み地蔵頭に手 和知喜八 同齢
夏木立猿羽根地蔵の後生車 斎藤耕次郎
夏野越ゆ草より低き辻地蔵 鍵和田[ゆう]子 未来図

夕すずみ地蔵こかして迯げにけり 大江丸「俳懺悔」
夕立や市ちらばつて地蔵尊 夕立 正岡子規

大人びし声をかけゆく地蔵盆 脇坂啓子
大木にかくれて雪の地蔵かな 尾崎放哉
大榎昏れてしまひぬ地蔵盆 伊原正江
大樹下の夜店明りや地蔵盆 杉田久女
太秦や祭る地蔵の草の花 田山耕村

姫蔦や地蔵の膝へ這ひ上る 寺田寅彦

子うさぎを暗がりに売る初地蔵 風戸庸子
子が慕ふ下宿学生地蔵盆 大串章 朝の舟
子が打てば子の鉦の音地蔵盆 中村若沙
子とともに織子の一夜地蔵盆 近藤一鴻
子の手ひき地蔵詣も暮れぬうち 八木春
子らが囃す夜空のまろさ地蔵盆 山田みづえ
子をもたぬ四十のをんな地蔵盆 黒田杏子 水の扉
子供らは馳け地蔵盆町々に 加倉井秋を 午後の窓
子地蔵の唇に紅さす枯世界 岸田稚魚 筍流し
子地蔵の赤き口元別れ霜 竹澤茂子
子地蔵へたんぽぽの絮は光る音符 平井さち子 完流
孑孑の地蔵の水の他知らず 山尾玉藻

家ごとに菓子配らるる地蔵盆 高市幸子
寄附とりに来るも子供等地蔵盆 榊水里

寒柝や地蔵の多き湯の町に 鍵和田[ゆう]子 浮標
寒雲や地蔵となりて石怺へ 秋元不死男

寺の裏にて行水す尼地蔵盆 長谷川かな女 花寂び
小地蔵に暮れをいそがぬ春の川 柴田白葉女 花寂び 以後
尼の守る鑑貞地蔵子供盆 西本一都 景色
屋台の灯ばかり明るく地蔵盆 関根章子

山ざくら地蔵の肩の肉厚し 磯貝碧蹄館
山刀伐の地蔵に供ふ粽かな 板垣きぬ子
山道となりて灯が混む地蔵盆 中川須美子
山道に並ぶ地蔵や露涼し 金子幽霧

岩倉の目無し地蔵のしぐれぐせ 大野林火

川がりや地蔵のひざの小脇差 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
川上に崖崩れあり地蔵盆 山本洋子
川地蔵供養稲の香むせるなか 高澤良一 ぱらりとせ
川波のあしもと洗ふ地蔵盆 斎藤梅子
川狩や地蔵の膝の小脇差 一 茶
川風や子が子を負ひて地蔵盆 大石悦子 聞香

帯さげし子の可愛さや地蔵盆 上川井梨葉
干飯が匂ふ水掛地蔵かな 橋本鶏二
年寄りの泣き虫地蔵蝉きこゆ 和知喜八 同齢
幻燈はいま西遊記地蔵盆 大堀たかを
庫裡通る児等をとがめじ地蔵盆 西山泊雲 泊雲句集
引き菓子の落雁甘く地蔵盆 大野 すみ
影踏を教へられをり地蔵盆 茨木和生 往馬
徂く春や塩まみれなる塩地蔵 福田蓼汀 秋風挽歌

御地蔵と日向ぼこして鳴ち鳥 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
御地蔵の手に居へ給ふ蛙かな 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)

忘れ帽子地蔵がかぶり天高し 市野沢弘子
手に受けて駄菓子の湿り地蔵盆 若井菊生
手足あげ地蔵流しの餓鬼溺る 西本一都 景色

抱かれゐる子も手を合はす地蔵盆 増田松枝
抱き上げたくなりさう小春の地蔵さま 茂里正治
抱き地蔵軽き八月十五日 犬塚南川

持ち寄りし団子まちまち地蔵盆 西村和子 かりそめならず
捩り花地蔵無言の石並ぶ(津軽路) 河野南畦 『湖の森』

提灯のこゑ揺れてくる地蔵盆 石原君代
提燈の高さちぐはぐ地蔵盆 鈴木良戈

撫子や高野の道の地蔵堂 河東碧梧桐
数珠の手を合はす地蔵に春の風 清水タミ子
数珠廻す子らも減りたる地蔵盆 竹田幸子

新しき地蔵の前掛けまんじゅさげ 高澤良一 寒暑

春なれや笠縫邑の笠地蔵 角川春樹 夢殿
春寒し地蔵の見えぬ地蔵岳 大木あまり 山の夢
春昼を唯々としばられ地蔵尊 町田しげき
春蚕飼ふ地蔵参りの済みしより 疋田華子
春野より帰れば地蔵せしといふ 春野 正岡子規
春陰や縛り地蔵に泣きぼくろ 佐藤みかこ

昨年は夏 地蔵盆会の膳に見し茄子の木乃伊・胡瓜の木乃伊 梅津英世
昼顔や砂に埋れし石地蔵 寺田寅彦
時代祭行く町角の置地蔵 中井又一郎
月潟や地蔵の前に金魚売り 林 和子

朝寒の地蔵湯に湯を使ふ音 高澤良一 随笑
朝霜や無縁地蔵のよだれがけ 寺田寅彦

木下闇ところところの地蔵哉 木下闇 正岡子規
木下闇人驚かす地蔵かな 木下闇 正岡子規
枝に吊る筵の日除地蔵盆 田中紫水
柳川は水辺々々の地蔵盆 江口竹亭
柳散る土橋のもとの地蔵哉 寺田寅彦

椎茸を供へて与一地蔵尊 川崎展宏
樵夫らの負ふ子牽く子に地蔵盆 飯田蛇笏
樹にも雨水にも雨や地蔵盆 神尾季羊

母の嘘なつかし地蔵盆の闇怖ろし 河原枇杷男 定本烏宙論
水かけてはなやぐ袂初地蔵 岡田信成
水子 水子と 烏が啼いて 地蔵に雨 伊丹公子 ドリアンの棘

油火の焔地を這ふ地蔵盆 猪股洋子
治聾酒といひて地蔵にかけゐたり 滝沢伊代次
洗はれてつむり涼しき石地蔵 樋笠文
洗はれて目鼻失ふ初地蔵 大淵竜策
浜地蔵おはす桑名のしじみ汁 中山純子

浦山の草に灯ともる地蔵盆 下村ひろし 西陲集
海の日焼子山の日焼子地蔵盆 飯田龍太
海女一人時化の地蔵へ灯を上げに 石井とし夫

涎掛け取替え在す地蔵盆 松井蕪平
清水音の時に呪詛めき百地蔵 鍵和田[ゆう]子 浮標

湖の子の肩揚げ深き地蔵盆 能村登四郎 寒九
湖北いま夕風となる地蔵盆 伊藤京子
湖北には地蔵多くて芋茎煮る 梶山千鶴子

湯上りの匂ひのこども地蔵盆 中戸川朝人 残心
湯上りの項匂ふよ地蔵盆 三村 純也
湯掛地蔵に解散松明スキー隊 中戸川朝人 尋声

満月でお地蔵さんと並んでる 谷 佳紀
滴りを受くる地蔵の地蔵盆 茨木和生 往馬
潟日和柞の奥の地蔵堂 新谷ひろし
潮引くと地蔵囁く五月闇 鈴木真砂女

火事あらばいかにする路地地蔵盆 森田峠
火口湖の経舟流す地蔵盆 角川源義
灯して風ある空や地蔵盆 大石悦子 群萌
灯のそとの貌もの言ヘり地蔵盆 西園寺明治
灯の色も人恋ふ色や地蔵盆 藤原文子
灯を低く飛鳥大仏地蔵盆 坂本宮尾
炉話や人にのこれる地蔵顔 加藤耕子

炎天の地蔵の頭撫でて過ぐ 青柳志解樹(1929-)
炎天や口をつぐみし石地蔵 成瀬櫻桃子 風色以前
炎天や水かけ地蔵の鐘が鳴る 串間栄一

焼残る広野の中の地蔵哉 焼野 正岡子規
燈に染まる猫の総身地蔵盆 中山純子 沙羅
燕や合掌を解く地蔵岩 田川飛旅子
牛の虻マリア地蔵にまつはれり 辻桃子

牛馬よく通る地蔵会暮れぬうち 榎本冬一郎
田仕舞の地蔵に供華や年用意 角川源義
田起しの土の香りも地蔵尊 姉崎蕗子

町の音ややほとびたる地蔵盆 小林康治 『華髪』

百地蔵見て頭重りや紅葉冷え 鍵和田[ゆう]子 未来図
百姓顔におはす鑑貞地蔵盆 西本一都 景色

盆果ての色に名残の辻地蔵 佐藤奉子
盆用意地蔵の帽子縫ふことも 本谷久邇彦
盆過ぎのたゞの地蔵や草の花 五十嵐播水 播水句集

真冬日の地蔵薄目をあけたまま 林秀夏

知らぬ子に紅さしてやる地蔵盆 林佑子
知らぬ子は一人も居らず地蔵盆 忽那文泉

石のころもに山茶花ちりぬ地蔵尊 中勘助
石仏堂余りて雪の一地蔵 猿橋統流子
石地蔵の袖の長さよ七五三 中村草田男

磯地蔵恃まれてゐる磯開 古本二三子

秋しぐれ母似地蔵にそっと傘 武 明菜
秋の暮辻の地蔵に油さす 與謝蕪村
秋晴や御肌ぬくき地蔵尊 高橋淡路女 梶の葉

稲埃まとひて独り石地蔵 小池龍渓子
稲架襖めぐりいづれば芋地蔵 銀漢 吉岡禅寺洞

積みあげし竹瓮の中の地蔵盆 米沢吾亦紅
空を見る母は泣虫地蔵です 関田誓炎

竹く方に又地蔵会の絵燈籠 比叡 野村泊月
竹の春地蔵の濡れぬほどの雨 常行佐代子
竹筒に夥しき菊や地蔵堂 寺田寅彦

笹の葉に包むお布施や地蔵盆 谷渡末枝
笹立てて嵯峨の辻々地蔵盆 鈴鹿野風呂
笹立てて提灯吊つて地蔵盆 西村和子 かりそめならず

篠の子やみづ子地蔵の耳乾く 古舘曹人 能登の蛙
紅葉狩地蔵峠の名に惚るる 藤田湘子
結氷のごとく塩被て地蔵凍む 中戸川朝人 尋声
綿入れを被てゐる水子地蔵かな 谷口和子
緑陰の一番古い地蔵尊 光宗柚木子
練供養地蔵菩薩は緋の衣 延江金児
縛られ地蔵百の結び目きりぎりす 水口郁子
縛られ地蔵縛られつづく真炎天 毛塚静枝
繰る数珠の老いには重き地蔵盆 縄本真里

義仲寺の腰抜犬や地蔵盆 八木林之助
義士祭や北向地蔵にも回向 森田 峠
脛白き休日の父地蔵盆 岡本 眸
興ざめの一と雨なりし地蔵盆 波多野爽波 鋪道の花
艀まで灯の届きゐる地蔵盆 中村石秋
色町の名残の小露地地蔵盆 毛塚静枝
艶ばなしさらりとありし地蔵盆 波多野爽波 『骰子』
芋子汁振り向くたびに地蔵岳 草間時彦
芭蕉生家昨夜地蔵会の行燈置く 橋本鶏二

花擬宝珠眼より暮れゆき石地蔵 川本けいし
花桐を拝める石の地蔵尊 長谷川かな女 花寂び
花梓襞に雪おく地蔵岳 山田春生
花苔や微妙に違う地蔵の掌 當山孝道
花街に子供少なき地蔵盆 竹野梢星

苔の花さくや地蔵の首の跡 苔の花 正岡子規
苔地蔵リュック背負へばぬくまるよ 平井さち子 鷹日和
若草に線香たてたる地蔵哉 若草 正岡子規

茄子南瓜煮えてとろとろ地蔵盆 岸本尚毅
茅の鹿地蔵に供へ雨祈る 曽根 満
茅舎忌や瞼にのこる杖地蔵 河野静雲
茶畠に提灯吊りぬ地蔵盆 大峯あきら

草少し地蔵の膝に萌えんとす 草萌 正岡子規
草枯れて地蔵が示す道しるべ 福原十王
草焼きて道現はるる地蔵盆 山下実
草紅葉地蔵は素足のままに立ち 杉山畝女

菜の花に居あまる蝶の石地蔵 菜の花 正岡子規
菱岩の岩ちやんのゆく地蔵盆 黒田杏子 花下草上
落葉明り地蔵も病む眼持ち給ふ 河野多希女 月沙漠
蒲公英に人の参らぬ地蔵かな 蒲公英 正岡子規
蕗の葉に蝋燭ともす地蔵盆 宮岡計次
薔薇のとげぬき地蔵前四人下車 仁平勝 花盗人
藤棚をあふるる蔓や地蔵盆 藺草慶子
蚊柱や地蔵ばかりの山の裏 仙田洋子 橋のあなたに
蜑が家のいや篤くせる地蔵盆 大石悦子 百花
蝉採り子首欠け地蔵蝉とめて 和知喜八 同齢
蝸牛や地蔵の眉にうつせ貝 雑草 長谷川零餘子

行き過ぎて胸の地蔵会明りかな 鷲谷七菜子(1923-)
行く方に又地蔵会の絵燈籠 野村泊月
行灯に尼のみづぐき地蔵盆 西本一都 景色
行秋や三田に延命地蔵堂 石川桂郎 含羞

西陣や織子老いたる初地蔵 草間時彦
親つらゝ子つらゝ角兵衛地蔵前 広瀬一朗
誰の背も闇が濃くなる地蔵盆 鍵和田[ゆう]子 浮標
誰願ぞ地蔵縛りし藤の花 高井几董
貝母咲く地蔵の慈悲にうなづきつ 羽田岳水
賑やかと思ひてさびし地蔵盆 加倉井秋を 午後の窓

赤とんぼ子育地蔵の膝が好き 井上美寿恵
赤地蔵土用ねずみの糞ころと 辻桃子
赤城暮れ梨園灯る地蔵盆 宮武寒々 朱卓

路三叉草茂りけり石地蔵 草茂る 正岡子規
路地あればここにも小さき地蔵盆 川上万里
路地入れば横丁よぎれば地蔵盆 矢野蓬矢

辻ごとに比叡の見ゆる地蔵盆 山田ひろむ
辻君や落葉ひつつく石地蔵 落葉 正岡子規
辻地蔵祈りの数の冬著着て 阿部千恵子

道の辺に広隆寺あり地蔵盆 村山古郷
道の辺のほの明るみて地蔵盆 今井つる女

遭難の身代わり地蔵千鳥啼く 近澤杉車
重ね着の島の地蔵や日脚伸ぶ 玉井邦子

野とともに焼くる地蔵のしきみかな 蕪村
野の地蔵雪間の土を見てござる 村越化石
野地蔵にかさりかさりと鬼やんま 小園葉舟
野地蔵に手縫ひ頭巾や魂祭 岡村優子

長き夜の熱きが薬地蔵の湯 高澤良一 随笑
開かれて地蔵王廟花あかり 古賀まり子
間引き子の身替り地蔵芋の露 小池つと夢
阿倍野区は路地地蔵盆路地のもの 宮津昭彦
雀らの顔の険しき地蔵盆 大木あまり 火球

雪しまく富士や薩*たの地蔵道 浅場英彦
雪だるま痩せて地蔵に似てきたり 市川たち子
雪に挿す造花の供花も初地蔵 進藤芽風
雪の夜の浪除(のたよけ)地蔵文弥かな 金子のぼる
雪嶺に真向き居並ぶ化け地蔵 岡田日郎
雪嶺や地蔵のごとく吾を残す 渡辺七三郎
雪空暮れくるお地蔵の前の道をとる 人間を彫る 大橋裸木
雪達磨暮れて地蔵になりすます 田中生也

電球一つ借りて増やしぬ地蔵盆 松山足羽
震災忌るると縋りて稚子地蔵 松村蒼石 春霰
霜がれのそれも鼻かけ地蔵哉 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
露地あればここにもちさき地蔵盆 川上万里
露草や露に坐したる地蔵尊 寺田寅彦

青田中わが名の地蔵様ありき 皆川白陀
青葉蔭首筋細き耶蘇地蔵 羽部洞然
青蛙跳ぶ跳ぶ水子地蔵さま 菊池郁子(屋根)

顔のなき間引地蔵に天草干す 高島 茂
顔拭いて貰ひて兄と地蔵盆 福井隆子
顔裂けた地蔵もろとも山畑売られ 西川徹郎 天女と修羅

飯の香や子等に露おく地蔵盆 妻木 松瀬青々
首のなき地蔵の列果て花御堂 草田男
馬つなぐ橋の袂の地蔵盆 西山泊雲 泊雲句集
馬方の世話人頭地蔵盆 河野静雲 閻魔

鮭漁尽き目鼻自然に帰す地蔵 平井さち子 完流
鳩笛や辻の地蔵に鍵かけて 夏秋明子
鷺赤くとんで日暮れて野地蔵会 落合水尾

麦わらを取りかぶせけり地蔵堂 平交 俳諧撰集「有磯海」
麦藁や地蔵の膝にちらしかけ 麦藁 正岡子規

黍束ねあげて広さや地蔵盆 西山泊雲 泊雲句集
鼬なく尾花の奥や化地蔵 寺田寅彦


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... ... ... Jizo Bosatsu 地蔵菩薩

Daruma Pilgrims in Japan

O-Fudo Sama Gallery

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1 comment:

Gabi Greve - WKD said...

Fujita Sooshi 藤田湘子 Fujita Soshi

Jizoo Tooge 地蔵峠 Pass Jizo Toge

There are a few passes with this name in Japan.
The one in Nagano prefecture, Shimo Inagun 下伊那郡 is maybe the most famous.


紅葉狩地蔵峠の名に惚るる
momijigari Jizoo tooge no na ni oboruru

looking for autumn leaves
I get drunk on the name of
"Jizo Pass"
.